2022年に実施される主な法改正や制度改革
2022年は人事・労務に携わる方々や派遣会社にとって影響の大きい以下のような制度改正があります。
- 雇用保険マルチジョブホルダー制度(雇用保険法・2022年1月~) 65歳以上の副業者への雇用保険適用
- 育児休業等に関する事業主の講ずべき措置の義務化、有期雇用労働者の適用緩和(育児介護休業法・2022年4月~) 男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境の整備や労働者本人に対する周知の義務化
- 短時間労働者の社会保険適用拡大(厚生年金保険法、健康保険法等・2022年10月~) パート・アルバイトなどの短時間労働者の社会保険適用拡大
短時間労働者の社会保険適用拡大
「短時間労働者の社会保険適用拡大」は、すでに2016年10月から「501人以上の企業」を対象に開始されていました. 2022年10月からは「101名~500人の企業」、さらに2024年10月からは「51名~100人の企業」へと対象が広がっていく予定です。 この短時間労働者の社会保険適用拡大により、企業と労働者は具体的にどの程度の負担となるのか見ていきましょう。
月給10万円のアルバイト10人(愛知県・40歳以上65歳未満)が10月以降に社会保険適用になった場合
例えば、月給10万円のアルバイト10人(愛知県・40歳以上65歳未満)が10月以降に社会保険適用になった場合、企業は年間で約180万円の保険料負担が必要になります。 また、労働者は、1年間の手取り額が約17万6千円も低くなってしまいます。 もし労働者が『社会保険の扶養内で働きたかった』『社会保険料が引かれるのであればもっと働きたい』と考えた場合、定着率にも影響を与えかねません。 いっぽう、企業においては社会保険料負担による雇い入れ制限や雇い止めも考えられそうです。
人事・労務の負担増には派遣会社の利用を
人事・労務担当者は法改正による対象者の把握と周知理解が急務であり、早急に手続きの準備を進めていかなければなりません。 とはいえ、担当者の人数も限られる中でもありますので、場合によっては、人材派遣会社の利用も検討することも有益です。 雇用保険や育児休業、社会保険についての面倒な周知や手続きはもちろん、社会保険に加入したくない従業員の欠員が正社員の過剰労働を生むといった問題も解決ができます。 派遣会社は現場だけではなく、人事・労務の強い味方とも言えます。