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データで見る物流業界の人材不足と解決方法

近年、物流業界の人材不足が大きな問題になっています。
そこで今回は、物流業界の人材不足の現状と理由、その解決方法をご紹介します。

データで見る物流業界の人材不足の理由と解決方法

物流業界の市場規模と人手が足りていない現状

物流業界の市場規模は年々広がっており、特に新型コロナの影響でEC市場が大幅に拡大しています。
経済産業省の調査(文献①)では、国内のEC市場規模は統計開始の平成25年から拡大し続け、令和3年には20兆円を超える結果が出ています。
一方、EC市場規模の拡大による需要の急増に伴い、物流業界は深刻な人材不足に陥っています。

ここからは、物流業界の現状を、国税調査や国土交通省の調査、厚生労働省の調査から得た求人倍率、定着率などのデータを参考にしながら見ていきます。

全国的に人手不足

国税調査(文献②)によると、トラックドライバーの数はここ20年間減少し続けています。
統計開始から最も多かった1995年(平成7年)は約98万人だったのが、2015年(平成27年)には約76万人となり、20年間で20万人以上が減少しています。

一方、インターネットの普及によってECサイトの利用者数が増加し、個人消費は拡大しています。
ほとんどの企業がECサイトを運営し、オンラインショッピングの利用者が増えたことで、宅配便の取り扱い個数も増加しています。
事実、2020年(令和2年)7月に国土交通省が発表した「物流を取り巻く動向について」(文献③)によると、GDPは2011年(平成23年)から7年連続で上がり続けています。

トラックドライバーは減少しているにも関わらず、EC市場規模は拡大し、GDPは上がり続けているということは、ドライバーの一人当たりの仕事量の負担が急増物流業界が全国的な人手不足に陥っているのです。

求人倍率や定着率などのデータ

人手不足の現状は、求人倍率や定着率などのデータでも明らかになっています。

国土交通省の調査「トラック運送業の現状等について」(文献④)によると、平成30年4月の物流・運送業界の有効求人倍率は2.68倍でした。
同調査で全業種の有効求人倍率は1.35倍となっているため、物流業界は他職種と比較して人手が足りていないことがこの数字からも分かります。

また、定着率の低さも課題となっています。
2014年に厚生労働省が発表した「日本全国の経済産業における平均離職率」(文献⑤)によると、運輸業に就職した人の4割近くが、入社から3年以内に退職しているというデータがあり、定着率の低さも人手不足を深刻化させているのです。

人手不足の理由

ここまでのデータを見て、物流業界が結果として人手不足に陥っていることは分かりました。
では、具体的にどんな理由が原因で物流業界は人手不足となっているのでしょうか

その構造的な理由として次の3つが挙げられます。

年収・平均賃金の低さ

1つ目の理由は年収・平均賃金の低さです。

国税庁の調査「令和2年分民間給与実態統計調査」(文献⑥)と求人統計データ(文献⑦)によると、全職種の平均年収は約433万円であるのに対し、物流管理の仕事の平均年収は約416万円と他職業と比べて年収が低い傾向にあります。
年収や平均賃金が低いと、人材を確保する上で不利になってしまいます。

労働環境

2つ目の理由は労働環境です。厚生労働省の調査(文献②)によると、物流・運送業界の平均労働時間は、全職業の平均より約2割長く、所定外労働時間も2~3倍ほど長いという結果が出ています。また、2017年の総務省の労働力調査(文献⑧)では、全産業で女性労働者の占める割合が4割強であるのに対し、物流業界は約2割となっていて、女性が働きにくい労働環境であることは否めません。このように、長時間労働や女性が働きにくい労働環境であることも、人材不足の大きな理由となっているでしょう。

ブラック企業な体質

3つ目の理由はブラック企業な体質です。先ほども述べましたが、物流業界の労働者は長時間労働を強いられている傾向があります。また、荷物運びなどの肉体労働が多く、深夜帯の勤務も多いことなどから、過酷な労働環境がブラック企業な体質を作り出してしまっています。

では、人手不足を解決するためにはどのような取り組みが必要でしょうか。ここからは、その具体的な取り組みを紹介します。

人手不足の解決方法

物流業界のイメージアップ

人手不足を解決するためには、まずは物流業界のイメージをアップさせることが大切です。現在 物流業界は、長時間労働や深夜帯の勤務、肉体労働などの過酷な労働環境にも関わらず、給与は低いというブラックなイメージが定着してしまっています。2017年に行われた「物流業界(陸運・海運・物流)に対するプラス・マイナスイメージ比較」(文献⑨)でも、休日・休暇・労働時間や女性の活躍、給与・待遇などの点で、物流業界に対してプラスよりもマイナスのイメージを持つ人が多いという結果が出ています。まずは物流業界の仕事の魅力を伝え、ブラックなイメージを脱却させることが大切です。

労務管理の徹底

物流業界で働く人材の労務管理を徹底することも必要不可欠です。物流業界の2024年問題をご存知でしょうか?これは、2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題です。物流に関わる法改正によって制限が実施され、物流業社の売上減少などのリスクが懸念されます。物流業界の人材を確保するためには、労働者の労働に関する管理はもちろん、福利厚生や健康を守るための労務管理を徹底することが重要です。

ドライバー派遣の利用

ドライバーを派遣してくれる派遣会社を利用することもおすすめです。ドライバー派遣とは、車両を問わずに運転をメイン業務とする仕事です。期間を決めて契約するため、正社員を雇用する場合と異なり、コストや手間をかけずに人材を集めることができます。つまり、ドライバー派遣会社を利用することで、求人広告や面接、教育コストなどの費用を抑えて即戦力となるドライバーを確保することができるのです。会社を経営する上で、雇用のリスクを抱えずに即戦力として働けるドライバーを確保することは、人手不足の解消に大きく役立つのではないでしょうか。人手不足解消に向けて、様々な取り組みをしていきましょう。

【参考文献】

  1.  経済産業省 https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html (2023-1-26参照)
  2. 国税調査 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001410731.pdf (2023-1-26参照)
  3. 国土交通省「物流を取り巻く動向について」 https://www.mlit.go.jp/common/001354692.pdf (2023-1-26参照)
  4. 国土交通省「トラック運送業の現状等について」 https://www.mlit.go.jp/common/001242557.pdf (2023-1-26参照)
  5. 厚生労働省 https://thanks-gift.net/column/engagement/transportation-industry-turnover-rate/ (2023-1-26参照)
  6. 国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」 https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf#page=17 (2023-1-26参照)
  7. 求人統計データ https://求人ボックス.com/物流管理の年収・時給 (2023-1-26参照)
  8. 損保ジャパン日本興亞 https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/hinsurance/logistics/news/2018/b_news134.pdf?la=ja-JP (2023-1-26参照)
  9.  株式会社マイナビ http://www.t-renmei.or.jp/symp/parts/pdf/201710_happyo_03.pdf (2023-1-26参照)

 

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